はじめに
鼻というと「耳鼻科の治療分野では?」って考える人が多くおられると思います。形成外科分野で取り扱う「鼻」とは「目で見える範囲の鼻」つまり「外鼻」ということになります。外鼻の疾患を挙げると、先天的な外鼻変形(唇裂口蓋裂などの鼻変形)、外傷による外鼻変形、外鼻の腫瘍切除後の変形の修正・再建などになります。
なお、個性的な鼻の形(外鼻の醜形)の修正に関しては、健康保険の適用外となります。
唇裂口蓋裂は発生学的な問題で先天的に上口唇・上顎・口蓋や鼻に変形を来す疾患です。日本人の発生頻度は1/400-500人と言われています。
多くの場合、外見の問題だけでなく、哺乳や摂食、構音(発生)、歯列の問題も同時に治療が必要なため、小児期から成長を考慮した系統的なチーム医療を行う必要があります。そのため総合病院での治療が優先されます。
鼻に関しては様々な考え方があり、早期に治療をした方が良いのか、後に治療した方が良いのかという議論があり結論は出ていません。
当院で取り扱う唇裂口蓋裂の鼻修正は、鼻の成長への影響が少なくなる15歳以上を対象に行っています。
手術方法は、個々の鼻によって違うため一概には言えませんが、斜鼻・鼻翼の変形・鼻孔の変形などに対して、鼻骨骨切り・瘢痕形成・鼻軟骨形成(自家軟骨移植を伴う)・軟部組織の修正などを行います。
基本的に唇裂口蓋裂の鼻修正は健康保険の適用とされています。しかし、健康保険の適用とされる鼻変形は、明らかに奇異さを感じさせ社会的に問題があると判断されたものになります。それ以外の僅かな変形に関しては健康保険の適用外、つまり自由診療での治療となる事もあります。
当院で行っている外傷性の変形は、陳旧性鼻骨骨折(斜鼻変形・鞍鼻変形)です。陳旧性というのは「古い」という意味で、「鼻骨骨折を整復せずに歪んだまま骨が治癒した状態」または「鼻骨骨折の整復をしたけど変形が残っている状態」などです。
斜鼻変形の治療は、歪んで治癒した鼻骨を「鼻骨骨切り術」で正しい位置に戻します。鼻軟骨の変形を伴っている場合や、鼻閉を伴う場合は、鼻軟骨形成術や自家軟骨移植術(耳介軟骨・鼻中隔軟骨・肋軟骨)を同時に行う事もあります。鞍鼻変形に関しては自家組織移植術での修正を行います。(シリコンプロテーゼ(人工物:医療用シリコン)でも鞍鼻変形は治療可能ですが保険適用はされません。)
健康保険の適用は、「誰が見ても明らかに変形している場合」もしくは「変形によって鼻の通りが悪いなどの機能的な障害がある場合」となります。ごく僅かな変形の残存のみの場合などは適用外となります。
なお、折れたばかりの鼻骨骨折はCTなどでの鼻骨の評価を行って、2週間以内に治療を行う事が優先されます。そのため、CTの検査のできる関連施設にご紹介させていただきます。
外傷性の鼻の変形は、外傷に伴って骨だけでなく皮膚や皮下組織などの軟部組織が欠損を起こし、変形が生じる事があります。その場合、皮弁形成術・自家軟骨移植術・自家骨移植術・複合組織移植・組織拡張など、形成外科的な特殊な技術を用いての治療が必要な場合があります。手術が大掛かりになる場合、大学病院などの関連施設での治療を優先させて頂きます。
鼻にできる腫瘍は、ホクロ、イボ、粉瘤、日光角化症など一般的な皮膚腫瘍ができることが多いです。しかし、鼻は組織にゆとりが少なく単純に縫合すると変形が起こってしまうことがしばしばあります。そのため、変形が生じるような欠損が起こる場合は、皮膚移植や皮弁形成術など形成外科的な技術を使って変形を予防する必要があります。
▼症例はこちら一般的な目線で見て奇異さを感じないないと思うけど、自分では鼻の形が気になる事があります。
例えば、低い鼻、だんご鼻(丸い鼻先)、大きい小鼻、わし鼻(ハンプ、段鼻)、魔女鼻、斜鼻、太い鼻・・・
このような場合は、健康保険の適用はなく、自由診療でのご案内になります。当院は隆鼻術、鼻尖縮小術、鼻翼縮小術、鼻中隔延長術、鼻骨骨切り術、斜鼻修正術など、鼻の醜形の治療バリエーションを揃えた医療機関です。どのような事でもご相談ください。
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